Stylus of VIN engraving machine

刻印・罫書き用スタイラス: 知っておきたいすべての情報

スタイラスの技術的な特徴、各刻印方式における使用アドバイス、よくある質問への回答をご紹介します。

スタイラスは、刻印および罫書きの中心的な部品です。スタイラスは、刻印の品質精度耐久性に大きく影響し、使用する技術によって適したものが異なります。

グラボテックは、刻印技術のパイオニアとして知られており、電磁式刻印・空圧式刻印・罫書きの3種類の技術に対応する豊富なスタイラスを取り揃えています。

この記事では、スタイラスの基本的な仕様、各刻印技術に応じた推奨使用法、そしてよくある質問への回答をご紹介します。
 

Mockup of Gravotech styli guide

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Marking types dot peen scribing

3つのマーキング技術

それぞれの刻印技術には、「深さ」「静音性」「精度」などの点で特長があります:

  • 空圧式刻印: 非常に高速で高精度な刻印。
  • 電磁式刻印: 一点ずつの刻印で、非常に精密。
  • 罫書き: 美しく、静かな刻印。

 

 

これらの刻印技術にご興味がありますか?

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Dot peen pneumatic stylus

スタイラスとは?

 

スタイラスとは、空圧式または電磁式のマーキング装置から、マーキング対象物にエネルギーを伝える複数の部品で構成された装置です。

一般的には円錐形をしており、先端にチップが付いているのが特徴です。

マーキング動作中、機械からのエネルギーによってスタイラスの先端が押し出され、対象物に接触します。
先端がスプリングの力で元の位置に戻るまでの移動距離を「振幅」と呼びます。

この往復運動の頻度は、マーキング技術によって異なります。

スタイラスの構成

Exploded view of pneumatic dot peen stylus from gravotech

 

空圧式スタイラス (刻印と罫書き)は、以下の部品で構成されています:

  1. ピン
  2. Oリング
  3. スプリング
  4. ボディ
  5. ワッシャー
Exploded view of gravotech electromagnetic dot peen stylus

 

電磁式スタイラスは、以下の部品で構成されています:

  1. 電磁石
  2. スプリングおよびワッシャー
  3. ピン
  4. ボディ
  5. 安全キャップ

これらの物理的部品に加えて、スタイラスのマーキング性能は、長さや振幅、ピストンのサイズ(空圧式ピンの平らな先端部)、先端の形状強化の有無といった特性によっても決まります。

同じ技術に基づくスタイラスでも、仕様が異なる場合があるため、注意が必要です。
 

各技術におけるマーキングの推奨事項

Datamatrix

電磁式刻印

高精度な刻印のためのヒント

電磁式刻印は高精度なマーキングが可能で、用途に応じた調整によりさらに最適化できます:

  • 打刻力を調整することでインパクトの幅を調整でき、航空宇宙や医療分野の高い要求にも対応できます。
  • 力を弱めると、最大振幅も小さくなります。
  • スタイラス先端を加工物から離すことで、より深いマーキングが可能になります。
  • スタイラスの先端と加工面の距離は最大5mmまでにしてください。それを超えると、内部スプリングが機械的ストレスで破損する可能性があります。
  • マルチインパクトモード(1点あたり2~10回の衝撃)を使用すると、より深いマーキングが可能です。
金属部品の識別とトレーサビリティ - マイクロインパクト式刻印

空圧式刻印

効果的な刻印のための推奨事項

空圧式刻印では、いくつかの簡単な調整を行うことで、スタイラスを保護しつつ刻印の品質を最適化できます:

  • 刻印速度を調整することで、打刻の密度が変わり、結果として見た目や深さに影響します。
  • スタイラスを加工物に近づけても、サイクルタイムの短縮にはなりません。
  • スタイラスの最適距離はモデルによって異なりますが、ピンと加工物との距離を3mmに設定するのが良いスタートです。
  • 機械が許容する最大圧力を超えないようにしてください。スタイラスの破損につながる恐れがあります。
Vehicule Identification Number deep marking

罫書き

鮮明で長持ちする罫書きのための推奨事項

空圧式罫書きスタイラスを使用する際の、品質を最適化するためのヒントをご紹介します:

  • 刻印速度を上げると、刻印の深さと文字のシャープさは低下します。
  • 大きめのピストンと低圧の組み合わせにより、圧縮空気の消費を抑えることができます。
  • 加工物をピンにできるだけ近づけることで、スタイラスへの負荷を軽減し、寿命を延ばせます。推奨距離は2~2.5mmです。設置時には、圧力や文字幅に応じた調整が必要です。
  • 高品質な刻印のためには、加工物をしっかりと固定することが重要です。また、マーキング装置自体の剛性確保のため、しっかりと設置されている必要があります。
  • 平面部の刻印は、曲面や粗い面に比べて容易です。


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よくある質問: 
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🔽 スタイラスのピンはどんな素材で、どれくらいの頻度で交換すべきですか?

用途に応じて、ピンはカーバイドブッシュ付きの鋼製、または全カーバイド製のものがあります。交換頻度に明確な基準はなく、加工対象の材質や使用圧力、サイクル数、マーキングの長さ、さらには速度によっても異なります(スピードが速いほど打刻は浅くなります)。

🔽 ピン先端の研磨角度は、刻印とピンの寿命にどのような影響を与えますか?

研磨角度は、刻印の見た目や深さ、ピンの耐久性に影響します。
角度が鋭いほど深い刻印が可能ですが、摩耗も早くなります。

🔽 スタイラスは異なるマシンで互換性がありますか?

はい。同一シリーズ内であれば、空圧式スタイラスには広く互換性があります(例:S12からS22NA12からNA22など)。旧型機器にも対応可能です。
ただし、空圧式と電磁式の切り替えは、同一ヘッドではできません
また、プログラム設定の調整も必要です。

🔽  スタイラスの先端と加工物との距離が適切かどうかは、どう判断しますか?

空圧式では、この調整は非常に繊細です。
最も信頼できる指標はです。明瞭で一定の音が聞こえれば、適切な距離であると考えられます。
電磁式では、より許容範囲が広くなっています。

🔽 新しい部品の刻印を始める際、スタイラスは交換すべきですか?

必ずしも必要ではありません。材料の硬さや求める刻印深さによります。
これらの条件が元の部品と似ていれば、刻印力や速度などのパラメータを調整することで、スタイラスをそのまま使い続けることが可能です。
事前にテストを行うか、専門家にご相談いただくことをおすすめします。

🔽 空圧式スタイラスは、刻印中にどれくらいの頻度で動作しますか?

モデルによって異なりますが、200〜400Hz、つまり1秒間に200~400回の打刻が行われます。

スタイラスは刻印の品質に直接影響します。スタイラスを慎重に選び、用途に合わせて調整することが、長持ちし安定した刻印を実現する鍵です。主要な特長や実践的なアドバイス、技術に合ったモデル選びのヒントをまとめた専用ガイドをぜひご覧ください。